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教員募集のアイティーチャー
コラム・その他 学校インタビュー
「“教科書に書いてあるその先”を考える授業に巡り合うことで、授業の楽しみが変わる」 そう話される先生に、今回はお話を伺うことが出来ました。身をもって感じた経験を、如何にして教育に活かすか。皆様に贈る言葉とは。

東京都市大付属高等学校_TOPバナー

今回お伺いしたのは、東京都世田谷区成城にある東京都市大学付属中学校・高等学校です。

『校訓・教育方針』 

「誠実」
真理や正義に常に誠実であること。
「遵法」
法に従ってこれを守り
  真の民主主義を身につけていくこと。
「自主」
自主性にあふれ、心身共に健康な人間であること。
「協調」
互いを理解し合うことで、国際性豊かな人間として平和な社会に貢献すること。

以上4つを校訓として掲げています。言うまでもなく、学校は知識を植え付けるためだけの場ではありません。学んだ知識を記憶していることではなく、それをどのように使っていくかこそが重要であると考えています。本校の校訓には、豊かな知性を身につけるとともに人格を磨き、高い次元で社会に貢献できる人間に育ってほしいとの願いが込められています。

東京都市大学付属中学校・高等学校(学校写真)


今回インタビューに答えて頂くのは、教頭  草間 雅行 先生です。

よく「笑顔が眩しい!!」という言葉を聞きますが・・・。
正しく草間教頭はそのイメージ通りの方です!時折見せる笑顔は本当にキラキラとしており、近くにいるだけで先生の毎日の充実ぶりが伝わってきます。
初めて先生にお会いした日、学校内を案内して下さいましたよね。ふとした私の言動にお気遣い頂き本当に嬉しかったです。次回は学校内全て一緒に先生と歩けることを楽しみにしています!!

それでは第11回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」ご覧ください!
 

教員を目指そうとしたきっかけとは  

菊地
「草間先生、本日は宜しくお願いします!!ではまず先生が教員を目指そうとされたキッカケから教えて下さい。」

教頭
「正直高校3年生の頃は医者を目指していました。ただ残念なことに一浪まで頑張りましたがご縁がなかったのでこの夢はきっぱりと諦めました。大学時代に“家庭教師”や“塾講師”のアルバイトをしていたのですが、この仕事を通じて人に教えることの楽しさを知ったんです。それが教員を目指す大きなキッカケになりましたね。元々、“遺伝子工学”に興味があったので研究者の道にも心惹かれた時もあったのですが、悩んだ末教員の道を歩むことに決めたんです。」

菊地
「お医者さんですか!?先生は白衣がよく似合いそうですもんね!」
「初めて教壇に立たれた時のことを覚えていらっしゃいますか?」

初めての教壇での思い出

教頭
「私は特別支援学校、(当時)“養護学校”が教員のスタートだったんです。なので教壇に立つというイメージが少し違うかな。国立病院と併設されている県立の特別支援学校に勤務していました。病院と学校が廊下で繋がっていてどちらかというと重症とされる子どもたちが対象でした。歩ける子もほとんどいなかったので介助なども含めての教員。マッサージをしたり一緒に歌を歌ったりと、1人の先生に生徒3~4人というスタイルで毎日一緒に過ごしていました。私学では経験出来ない本当に貴重な日々でしたよ。教員として大切なことを身を持って感じることが出来た2年間でした。養護学校(公立)がスタートで本当に良かったと思っています。」

菊地
「これもご縁ですね。私も教員免許を持っているのですが、特別支援学校の臨時的任用の登録をしていた時期がありました!なのでとても興味深いです。公立ならではのお話もっとお聞きしたいのですが・・次回の楽しみとさせて頂きますね。では先生、当校での初教壇エピソードをお願いします!」

教頭
「公立学校にも未練はあったのですが、やはり徐々に“理科”を教えたいという気持ちが強くなっていました。そんな時に当校とのご縁があり意を決して転向をしたんです。当校では初めての担当が一番苦手だった“有機化学”でした。自身の受験時にも苦戦した分野だったので正直本当に嫌でした。(笑)暗記が中心なのでいつしか嫌いになっていたんでしょうね。しかしこれが大きな転機となったんです!一から勉強をし“生徒目線”で授業をすることが出来たので、毎回の授業が楽しくなっていました。気付いた時には教えるのが一番好きな分野が“有機化学”になっていましたよ。(笑)あの時得意分野の担当になっていたら自分中心の授業をしてしまっていたと思うんです。生徒の分からないという気持ちが分からないまま教壇に立っていたと思います。」

菊地
「ピンチはチャンス!とはこのことですね。苦手だった“有機化学”の壁を乗り越えられたのはズバリどうしてでしょう?」

教頭
「暗記物と捉えていた分野だったので『暗記をいかに暗記で終わらせないか』ということを教える立場になって気付いたんです。化合物などの名前はただ覚えさせるのではなく名前の由来を考えてみたり、時にはゲームやパズル感覚で授業をすることもありました。大学の内容も含めて指導したこともありましたよ!!とにかく自分が苦手な分だけ工夫をして常に生徒の目線で授業をしていました。」

菊地
「先生の努力の日々が伝わってきます。では教員になって苦しかったことはなんでしょう?」

教員として苦しかったこと 

教頭
「6年前まで中学野球部の顧問をしていたのですが、なかなか優勝出来なかったことが苦しかったですね。ただおかげさまで顧問を退く2年前に優勝を経験することが出来ました!この時は本当に嬉しかったです。ただ不思議なことに“勝ったゲームよりも負けたゲーム”のほうが強く記憶に残っています。(笑)」

菊地
「凄い!!優勝ってそう簡単には経験出来ないことですからね。先生と野球部員の努力の日々の“最大の証”でしょう。」
「先生、教員生活のやりがいとは何だと思われますか?」
 
教員生活でのやりがい

教頭
「やはり私は”理科(化学)”担当なので、『化学が好きになった、化学の道に進みたい!』と言ってもらえた時は言葉で表現出来ないくらい嬉しいです。もちろん教員という道だけでなく、理系を活かした企業に就職が決まったという報告を受けた時も同様の気持ちです。・・・あと実は楽しみにしていることがありました。生徒が卒業文集に自分の名前や授業の感想を書いてくれていることがあるんです。そのページを見つけると嬉しくて嬉しくて!もちろん恥ずかしさもあるんですけどね。」

菊地
「それは嬉しいですね!!卒業文集と言えば最も記憶に残っていること、心に響いたことを書く生徒さんが多いですから!」

教頭
「それと教え子が当校に教員として帰ってくるということも嬉しいですよ。その先生(卒業生)が授業で使っているプリントを見た時に、自分が当時使っていた物が元になっているな~と感じたことがありました。その時は『今でも自分のプリントを大切に持ってくれていたんだなぁ。』と素直に嬉しかったです。」

菊地
「素敵です。魅力のあるものはご本人が気付かないうちに受け継がれていくってことですね。」
「では魅力いっぱいの草間先生が目指す教員像というものはありましたか?」

目指した教員像とは

教頭
「小学生時代の理科の先生には感謝していますね。その先生のおかげで理科を好きになりました。常に質問から始まる授業で、仮説を立て実験方法もみんなで考えて実験を行い、得られた結果を考えることが多く本当に楽しかったです。“検証をすることで仮説が立証出来る”ということを身を持って教えて貰いました。また浪人時代の予備校の先生にも憧れていました。小学校の頃は理科が大好きだったのですが、中学に入ると受験の為の授業いわゆる暗記中心になってしまったので気がついた時には理科が嫌いになっていました。高校に入って少し盛り返していたところに予備校(化学)の先生との出会いがあったんです。その先生も“物事の本質に迫る”という指導方法でしたので凄く魅力的な授業でした。共通して言えることはどちらの先生も“教科書に書いてあるその先”を教えて頂いたということです。」
 
菊地
“教科書のその先”本当に生徒さんのことを考えているからこそ出来る指導ですね。」
「ではここで草間先生のオススメの一冊、ご紹介して頂きましょう!」

教頭
「私は“推理小説”が大好きで・・・よく読むのはやはり『松本清張』シリーズですね。『三田誠広』の“僕って何”・“高校時代”という作品もオススメです。私自身が高校生の時に読んだのですが、当時悩みがあり葛藤の日々だったので、これらの作品に心打たれ前向きになれたことを覚えています。」

菊地
「では続けて先生の流儀も教えて下さい。」

教頭
“和”です。私は“チームワーク”を何よりも大切にしています。教員の世界に限ったことではないですが、仕事をする上で一人で解決出来ないことが本当にたくさんあります。そんな時でもチームワークさえしっかりしていれば乗り越えられるんです!分かりやすく言えば、『厳しい先生・優しい先生』というのがどこの学校にもいると思いますが、これは『悪役・フォロー役』と一緒なんです。父役・母役とも言えるでしょうね。大切なことは“生徒を認めて、直していかなければいけないところは一緒に考え、時には厳しい意見を言うことも必要”ということです。」

菊地
「確かに!先生方それぞれのカラーや考え方は、卒業して社会に出た時に生徒さん側からすると必ず活きてくると思います。世の中には色々なタイプの人がいますからね!」
「では先生、若かりし頃のご自身に会うことが出来たらどんな言葉を掛けられますか?」

教頭
「『もっと勉強しておきなさい!』でしょうね。(笑)本を読んだり、自分の担当科目以外のことももう少し勉強しておくべきだったと思っています。後悔の気持ちから?!またここ数年通常の授業は持っていませんが、質問に来る生徒に対応出来るように未だに大学別に入試問題は必ず解いていますよ。」

菊地
「先生、さすがです!!インタビューをご覧の皆さん、草間教頭を見習いましょう!!」
「では最後に教員を目指す方、現役教員の方へメッセージをお願いします!」
 
教員を目指している方々へ

教頭
『どんな教員になりたいのか』という問いにいつでも答えられる状態でいることが大切です。今の段階からしっかりと準備をしておきましょう。それが“教科・部活・生活指導”等、どんな視点からでも良いです。自分はこうなりたい!という気持ちを強く持って頑張って下さい。そして何ごとも一人で抱え込まないこと!相談するということを恥じないで下さいね。」

教壇に立たれている先生方へ

教頭
「一人相撲を取らず、チームワークを大切にしましょう。学校には色々な先生がいます。もちろん教員も人間ですから得意・不得意があるでしょう。しかしそれで良いんです。“自分(1人)⇒学年⇒全体”といったようにチームとして機能することが何よりも大切。『言うべき時は言う、引くときは引く』ということを意識して“和”を大切に頑張っていきましょう!」


東京都市大付属





ということで第11回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」皆さんいかがだったでしょうか。
顧問をされていた中学野球部の優勝時の写真を見せて頂きましたが、草間監督とってもカッコ良かったです!!素敵過ぎて言葉が出てきませんでした。先生、遅くなってしまいましたが『長い間本当にお疲れ様でした。』

またインタビューの最後に『理想教育は中高6年間をずっと担当出来ることだよね。』とおっしゃった草間先生。生徒のことと同じくらい教員側のことも考えておられるのだと感じました。もっともっと学校を良くしていこうと考えていらっしゃる先生のお話しは、本当に重みがあり何より表情がその熱意を物語っていました。

“待つことの大切さ”を養護学校(公立学校)で学んだというお話しもありましたが、私は“身を持って感じることに勝るものはない”というメッセージだと思っています。頭の中で考えるのには限界があります。“一つでも多くのことを経験し、そして吸収し、それを下の世代に繋いでいく”そんな強い気持ちを持って、何事にも恐れず皆さん挑戦していきましょう!!!

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