今回お伺いしたのは、東京都渋谷区にある東海大学付属望星高等学校です。
『教育方針』
東海大学の「建学の精神」に基づき、向上心や学習意欲のある人々に「いつでも」「誰でも」「どこでも」学習の機会を提供する目的で創立されました。そして、東海大学との一貫教育を軸として、通信制課程の中の単位制というシステムを活かして、一人ひとりの生徒を大切にする教育を展開しています。生徒諸君が将来の夢や希望を実現し、社会に貢献する人材となるよう次の教育方針を定めています。
- 人間性を重んじ、生徒の個性を伸ばして心豊かな人材を育成する。
- 基礎基本の徹底と学びの楽しみを通して、知的好奇心の高揚をはかる。
- 自ら考える態度と正しい判断力を養い、モラルと社会性を身につけた人材を育成する。
全国の通信制高校の中でも抜群に大学進学実績が優れていることが特徴。平日教育コースは卒業者の大半が大学進学しています。 通信制ではあるが他の付属と同じ条件で東海大学への付属推薦入試が受けられ毎年100人以上の生徒が東海大学、東海大学短期大学部などに内部進学している。国公立大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、MARCHなどの難関大学の合格者数も年々伸ばしてきており、近年の合格実績は他の附属を含む全日制高校にも見劣りしないほどでもあります。高校入試の難易度に対して大学進学実績がこれほどまでに優れている高校は他に類を見ない程でもあります。
コース別に大学への進学指導が違うのも特徴であり、あくまで東海大学の付属校ではありますが、放送教育コースは基本的に他大学への進学を目標に進路指導をしています(平日教育コースと東海大学への進学条件は変わらない)。平日教育コースは基本的に東海大学へ進学することを目的に進路指導をしており、東海大学への進学割合は平日教育コースの生徒がほとんどを占めていますが、最近では単位制の特徴を活かし、文系・理系を問わず他大学への進学者数も増えてきています。
今回インタビューに答えて頂くのは、副校長 前川 悟 先生です。
“謙虚”で誠実。大人になればなるほど忘れがちになっていませんか?
菊地は知りました!謙虚さを持ち、常に相手を気遣える心がいかに大切か。
そんな人には自然と人が付いて来ますし、何より必ずそんな自分を見てくれている誰かがいるのです。
“謙虚な人=相手の良いところを発見する力に優れている”
言い方を変えれば、『相手のありのままの姿を受け入れ、その人自身が気づいていない可能性に気づかせてくれる。』
前川副校長は正しく“謙虚な心のお見本”です。
それでは第14回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」ご覧ください!
菊地
「待ちに待ったこの日がやってきました!本日は先生の赤裸々トークを楽しみにしております。(笑)それではまず、教員を目指そうとされたキッカケから教えて下さい。」
副校長
「正直私は勉強が好きな方ではなかったんです。ただ読書が本当に好きで、乱読するものもありましたがとにかくたくさんの本を読んでいました。その中で“学校の先生を題材にした作品”に出会ったんです。その頃から教員も良いなと思い始めたかな。あと高校生の頃の担任の先生の授業が楽しかったのもキッカケになっていますね。とにかく面白かったんです。特に古文!その時代背景の説明が“あたかもそこに居たかのような話し方”で自然と情景が浮かんでくるものでした。おかげでそれほど勉強しなかったのにテストの点数が良かったです。(笑)」
菊地
「面白い授業は自然と頭に入ってきますよね。理想の形だと思います。楽しみながら受ける授業は勉強をしている時間ではなく、新たな知識がどんどん増える時間ということでしょう。」
「先生、一般企業への就職活動などはしていましたか?」
副校長
「その通り!とにかくバックボーンが広く知識の多い先生でした。見習うべき存在でしたね。」
「就職活動していましたよ。出版社に!!本を読むことが好きだったこともあり編集の仕事にも興味を持ち思い切って受けてみました。・・・が残念なことにご縁はなく諦めたんです。それが大学4年生の11月でした。(笑)」
菊地
「ギリッギリですね~。(笑)その後の先生の動向が気になります!」
副校長
「その後、知り合いの方から東海大学での事務職を紹介して頂いたんです。内定が決まったのが12月くらいでした。急なことだったのでとても嬉しかったのを覚えています。事務といっても様々な分野を経験出来るところでしたので充実した毎日でした。後の教員生活にも活きることが多く、事務職の9年間という時間は貴重な経験となりましたよ。」
菊地
「12月・・・最高のクリスマスプレゼントですね!!その後、事務職から教員になるキッカケが気になります!!」
副校長
「当時工業の免許は持っていたので、人事のタイミングが良かったのか声を掛けて頂いたんです。一度は断ったものの(年度途中で事務職を退くことに抵抗がありまして・・・)二度目に声掛け頂いた時にはご縁を感じすぐにお受けしました。勤務校が熊本で私の故郷ということも大きかったですしね。そこから私の教員生活が始まったんです。」
┃初めての教壇での思い出
菊地
「なるほど!!先生、初めて教壇に立った時のことを覚えていらっしゃいますか?」
副校長
「新米先生VS新入生!!(笑)教壇に立った途端、生徒たちの視線が一勢にくるわけです・・・足が竦む思いでしたね。ですが工業系はクラス替えが無かったので、3年生になった頃には“阿吽の呼吸”というんでしょうか?!私が何か言う前に生徒たちが自らきちっと行動出来るようになっていましたよ。」
菊地
「新米時代はやはり上手くいかないことが多かったですか?」
副校長
「そうですね。若い頃は生徒に対し思いや考えが上手く伝わらないと、感情的になってしまっていましたね。本当に反省しています。“未熟だから言葉で納得させられない”証拠です。『これだけ一生懸命やっているのに何故分かってくれないのか。』と勝手に思い上がっていたと思います。言葉や後ろ姿だけで“プロ”ということですね。」
┃教員としてつらかった出来事
菊地
「頑張れば頑張るほど空回り・・・辛いですよね。では先生、教員になって一番苦しかったことってなんでしょうか。」
副校長
「苦しかったというより、最大に辛かったことは、担任をしていたクラスの生徒が交通事故で亡くなってしまったことです。その時のことは今でもはっきり覚えていますし、思い出すだけで涙が出てきます。部活動も一生懸命に頑張っていた子で本当に辛かった。悔しくて悲しくてどうしようもなかったです。これ以上は本当、ごめんなさい。」
菊地
「そうだったんですね。きっとその生徒さんは先生のことを今でも天国から見守ってくれていると思います。先生の情熱や優しさ、絶対に伝わっていたと信じています。」
「ではここで、先生が感じる“教員のやりがい”とはなんでしょう?!」
副校長
「卒業式はやはり特別なものですね。『お世話になりました。ありがとうございました。』なんて言葉を言われるとジーンとくるものがありますよ。短いようで長い学生生活。ケンカして笑い合って・・・卒業していく生徒たちを見ているとそこには“成長した証”がちゃんとあるんです。なんとか引っ張ってきて良かったと心から思う瞬間ですね。あと、卒業生からの結婚式への招待は凄く嬉しいです!人間関係を続けていけることの幸せを一番実感出来る瞬間かもしれないですね。」
菊地
「自分の成長の証を見てくれている・・・おっとっと。ジーンときてしまいました。菊地の成長もずっと先生に見守って頂けますように!」
「それでは前川先生!先生が目指されていた教員像ってありましたか?」
┃目指した教員像副校長
「生徒と一生懸命関わる・楽しめる先生ですね。学校にはたくさんの行事がありますが、仕事としてこなすのではなく生徒と一緒にやる!楽しむ!!ということがとても大切だと感じています。考えてみてください!教員が楽しめないものを生徒が楽しめると思いますか?自分がやっていて楽しいことや面白いことは生徒も同じように感じてくれるんです。」
菊地
「その通りです先生!楽しいことに大人も子供もないですよね!!」
「それではここで!!皆さんお待ちかねのコーナーです。前川先生のオススメ本をご紹介頂きましょう。」
副校長
「『不思議な少年』 著書 マーク・トウェイン です。この作品は前向きでなかった高校時代の私を変えてくれたんです。“今という時をどう過ごすかを変えられるのは自分自身しかいない”言い換えると自分の将来は変えられるかな?と背を押してくれた一冊です。」
┃若かりし頃の自分にかける言葉とは
菊地
「続けて先生が大切にされている言葉を教えて下さい!!」
副校長
「“平等に声を掛ける”ですね。我々教員側からすると生徒1人1人とは言いますが、クラス全体の中の1人。ですが、生徒や保護者からすれば我が子はひとりなんです。そのことをしっかりと肝に命じておく必要があります。」
菊地
「先生、若かりし頃のご自身に今会えたとしたらどんな言葉を掛けられますか?」
副校長
「『うぬぼれるな!』ですね。(笑)若い頃は生徒に対し上から目線でいることが多く、力尽くで理解させようとしたり、時に先輩教員に生意気な態度を取ってみたりと・・・今振り返れば力が入り過ぎていたなと思います。空回りしているのに気付いたのは5年目くらいだったような。(汗)ですがこんな失敗体験から学んだこともあります。“自分のカラーを無理やり変える必要はない”ということです。先輩方の授業をそのままマネても上手くはいきません。自分のカラー(キャラ)を大切にしつつ誰にでも誠意を持って関わっていれば、気付いた時には必ず今よりも成長しているはずです。あと私自身がそうだったのですが“人の親になると新たに分かること・変わること”があります。結婚して親になる。一つのターニングポイントかもしれないですね。」
菊地
「がむしゃらに進むだけではなく“時に立ち止まり自身を客観的に振り返る”ことの出来る人間に菊地もなれるよう、前川先生をお手本に頑張りたいと思います!!」
「それでは最後に!!“教員を目指す方、現在教壇に立たれている方”にメッセージをお願いします。」
副校長
「生徒と一緒に居られることを楽しめる先生になって欲しいと思います。そして“思ったことは遠慮をせずに精一杯やりましょう。職員同士の先輩・後輩はありますが、生徒や保護者からすれば皆同じ先生。私達教員は生徒を守らなければいけません!自分の意見が言えない、考えがないという人には生徒を預かる資格はないですからね。」
┃教壇に立たれている先生方へ
副校長
「“謙虚”に!!変に手抜きを覚えないで下さい。初心を忘れてしまうことが一番怖いことです。自分は楽をしていないか?と常に自問自答をしましょう。学校という場所はとても特殊です。大学を卒業してすぐに『先生』と呼ばれますよね?視野が狭くなり勘違いしてしまうことも正直多いと思います。先生になりたての頃は皆頑張ろうと思っているんです。ただ経験を重ねるにつれて一つのことに対する手の掛け方が変わってきてしまう・・・謙虚さを無くすとズルズルと楽な方に流れてしまう可能性があります。常に緊張感を持ち向上心を忘れず頑張って下さい。」
ということで第14回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」皆さんいかがだったでしょうか。
先生はご自身のことをありのまま、包み隠すことなくお話してくれました。格好をつけずにいられる方が本当の意味でのカッコ良い!なんだと痛感しました。自然体で接してくださると、いつの間にかこちらも素の自分になっているものなんですね。前川先生とお話をしていると飾らずにいられるんです。今まで先生が受け持ってきた多くの生徒さんたちは怒られたことも多かったようですが・・・(笑)
断言できます!!前川先生は数多くいる教員の中でも一生心に残る“先生”だと思います。みなさん本当に感謝をしていることでしょう。
断言できます!!前川先生は数多くいる教員の中でも一生心に残る“先生”だと思います。みなさん本当に感謝をしていることでしょう。
謙虚な心が“人と人との架け橋”になるのかもしれないということに気づかせて下さった前川先生。
そんな人間になれるよう、私も頑張ります!!