今回お伺いしたのは、東京都墨田区にある安田学園中学校・高等学校です。
『建学の精神と教育の目的』
-創立者安田善次郎(富士銀行(現株式会社みずほフィナンシャルグループ)-
・安田生命保険(現明治安田生命保険相互会社)・安田信託銀行(現みずほ信託銀行株式会社)
などの諸会社を起こした実業家)の「実業界の有用な中堅人物の育成は,社会発展の基礎である」との創立理念を実践するために設立され,今日では「人材の育成は社会発展の基礎」とする創立理念を継承しつつも,人材の活躍する場としては「実業界」に限らずより幅広い社会で羽ばたくことを目指しています。また,「中堅人材」のみならずその世界のトップクラスとなる人材を育成することを目指しています。
『教育目標』
自ら考え学ぶことにより,創造的学力・豊かな人間力を育て,グローバル社会で有用な人材を育成します。(自学創造)
<自学創造>
-自ら考え学び、創造的学力・人間力を身に付け、グローバル社会に貢献する-
創立92周年を迎えた学園は、グローバル社会に貢献する人材の育成を実現するため、共学校としてスタートし2年目になりました。
今回インタビューに答えて頂くのは、教頭 松原 晴一 先生です。
“自分の考えや思いを貫く”ことで見えてくるもの。
それは目に見えるものではなくて、誰にでも見えるものでもなくて、自分にとって一番大切で“替えのきかない何か”に気付くことなのではないでしょうか。
松原先生はそのチャンスをしっかりと自身の手で掴んできた方、だから惹き込まれる!そんな先生です。
先生、冗談交じりのトークで誤魔化そうとしても、人一倍努力をし汗を流してきたこと…菊地には伝わっています。
いつも私のお願いを嫌な顔ひとつせず受け入れて頂き、本当に感謝しています。先生の首が横に振られる日が来ないことを祈りつつ…(笑)
それでは第19回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」ご覧ください!
┃教員を目指そうとしたきっかけとは
菊地
「2016年・申年♪初インタビューです!昨年からのお願いを叶えて頂き感謝しております☆それではまず、松原先生が教員を志そうとされたキッカケからお教えください。」
教頭
「父親が教員だったのでその影響は大きかったと思います。中学の理科教員だったのですが、小さい頃から外出する時は理科に関連した自然の多い場所に行くことが多かったですね。ただ私、当初は小学校の先生が第一志望だったんです。小学校時代の先生がとにかく印象的でして!!実は私、小学校低学年の時に体が弱くて通院をするほどだったんです。体育の授業時には制限もあったので、思いっきり走ったりすることはNGですしプールに入れなかったりなどなど…そんな私に対し当時の女性の担任教員は自分の子供のように面倒をみてくれたんです。本当に嬉しかったのを覚えています。その後、高学年になって出会った男性の担任教員も印象的でした。普段はピシッとしていて授業は面白い!という先生で、身振り手振りで興味深い授業内容が多かったんです。特に歴史の授業が一番面白かったことを今でも覚えています。“生徒を惹き付ける力”が凄かった先生方でした。」
菊地
「松原先生も理科の先生!お父様もさぞ喜ばれたのではないでしょうか?!」
「ここでズバリ!小学校の先生に対する未練はないですか?(笑)」
「ここでズバリ!小学校の先生に対する未練はないですか?(笑)」
教頭
「う~ん…。新卒2年くらいまでは正直未練がありましたが、ご縁のあった当校での勤務が一番!だとある時期から気持ちが固まりましたね。採用が決まったのも結構ギリギリだったんです私。大学4年の卒論に追われている時に、指導教授に大学院への進学を勧められていた時期だったので…12月後半頃だったと思います(笑)。そんな時に当校からお声掛けを頂いたんですよ。私学適性検査を通してだったのですが、本当にビックリ!テスト本当に出来なかったので…ただ今でも信じられないのですが、採点間違いでは?!と未だに半信半疑なのですが…思いの外点数が取れていたんですよね(笑)。何が言いたいかというと、人生何が起こるか分からない。最後まで諦めなければチャンスはある!!ということです。嫌味ではないので誤解のないように…(汗)」
菊地
「希望する場所とご縁のある場所…“ご縁の圧勝”でしょう!先生の選択は大正解だったと思います。」
┃初めての教壇での思い出
菊地
「では先生、初めて教壇に立たれた時のことを覚えていらっしゃいますか?」
教頭
「初めての教壇…一年目はとにかく苦しかった!の一言です(汗)。生徒に合わせた授業準備が出来ていなかったので、目の前にいる生徒たちの学力を考えず大学受験に向けての内容(レベル)で進めていました。もちろん、一生懸命に聞いて力が伸びた子もいましたが、ほとんどの生徒には受け入れられていなかったです(笑)。そんな状況でも当時の私は『高校の理科の授業とはこういうもの!』という固定概念があり、『これではいけないかな…』と感じても“どうしたら良いか”という考えは一切持たず“生徒は聞くもの!聞かないのが悪い!!”と思っていました。毎日欠かさず予習をしていることに安心をし、生徒を全く見ていなかったんです。自己満足の授業を貫き通した1年目だったことだけはよく覚えています(笑)。」
菊地
「“初志貫徹”。捉え方次第ですが、とても大切で大変なこと!1年目の松原先生に会えたなら…菊地は激励したいです!!」
┃教員として苦しかったこと
菊地
「先生、教員になられて一番苦しかったことってなんでしょうか?」
教頭
「正直なところ、生活指導です。私自身が公立出身ということもあって、遅刻や服装等に対しての指導に正直そこまでの重要性を感じていませんでした。ですがこの考えは大きな間違い!生活指導は学習指導とリンクしているんです。最も怖いことは、“一回崩れると簡単には直せない”ということ。注意や指導をすべき時に、許したり見逃してあげることは“生徒の学ぶ機会を奪っている”ことと同じことなんです。今振り返ると、経験が浅い頃は生徒に対して表面的な話し方が多かったようにも感じます。その結果がそのまま跳ね返ってきて…学級経営で困っていた時代もありました。今では懐かしい思い出ですけどね。」
菊地
「生活と学習はリンクしている!私も学生時代にこのことに気が付いていれば…悔やまれます(笑)。」
┃教員生活でのやりがい
菊地
「それでは、先生が感じる“教員のやりがい”とはなんでしょう?!」
教頭
「“生徒の成長を実感できること”ですね。そこで重要なのが、生徒との関係性です。友達ではない!“先生と生徒”という丁度良い距離感を保つことが本当に大切。…まぁ私も実際は、自分のスタイルが出来たかな?と思えるようになったのは教員になって10年位経ってからでした。一つ言えることは、色々なことに手を出し失敗を重ね…ようやく自分のスタイルが出来てくるということです。」
菊地
「失敗をしないと何が成功なのかが分からないですからね。焦らず、日々の活動を全力で取り組むことで“本当の自分”が見えてくるのかもしれないですね。」
┃目指した教員像とは
菊地
「松原先生が目指していた教員像ってありましたか? 」
教頭
「以前は、“休み時間はフレンドリー”そして“授業中はきちっと”というざっくりとしたけじめがついていればそれで良いと思っていました。しかし先生という立場の人間は、それだけではいけないんです。すなわち“人としてのお手本でなければダメ”ということです。理想の教員像というよりは、理想とされる教員という感じですかね(笑)。」
菊地
「お手本…確かに先生方に課せられるハードルは高いのが現実ですよね(汗)。」
「それではここで松原先生オススメの一冊をご紹介頂きましょう☆」
教頭
「『二十四の瞳 著:壺井 栄』です。この作品を通じ“心で繋がっている先生”になりたいと強く感じました。是非一度読んで頂きたい一冊です。」
菊地
「心で繋がる…教員“最大の目標”かもしれませんね。」
「では続けて先生の流儀を教えて下さい!!」
教頭
「“努力は裏切らない”です。生徒たちの卒業アルバムにメッセージを書く時には、必ずこの言葉です。」
菊地
「自分を信じて、前だけをみて進んでいれば必ず結果は付いてくる!と菊地も信じています。」
┃若かりし頃の自身にかける言葉とは
菊地
「では先生、若かりし頃のご自身に今会えたとしたらどんな言葉を掛けられますか?」
教頭
「『教員を続けていて失敗したなとは思っていない!頑張れ!!』ですかね。」
菊地
「先生、『どんなことがあっても教員を続けなよ!』とは言わないですか?」
教頭
「いや~。『これしかない!この道しかない!!』とは言えるかな?」
菊地
「いや~、何よりやる気の出る一言です!」
「それでは最後に!!“教員を目指す方、現在教壇に立たれている方”にメッセージをお願いします。」
┃教員を目指している方々へ
教頭
「自分の為ではなく、どこまで生徒のことを考えられるかがこの仕事の面白いところでもあり難しいところでもあります。物凄くやりがいのある仕事であることは間違いないです!!」
┃教壇に立たれている先生方へ
教頭
「“変えてはいけないところ”“変わらなければいけないところ”があるということをしっかりと受け止めて頂きたい。そして、意固地に自分のスタイルを貫かないこと!何より時代に付いていかなければいけません。『昔は良かった…』ではこれからの時代付いていけません。“あの人はこうだ!”というレッテルを貼られると重要なポジションを任すことが難しくなります。変化を怖れることなく、いつでも柔軟な対応が出来るような心がけをして頂きたいです。」
ということで第19回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」皆さんいかがだったでしょうか。
“自分のスタイルを貫く?”
“新たな自分と出会うために今までのスタイルを一度崩してみる??”
どちらをとっても初志貫徹!の心を忘れないことが何より大切なのではないでしょうか。何をするにも揺らがない何かを持っている人は強くてたくましい、そして魅力的ですよね。
初心を忘れず…“初志貫徹”!!!
2016年の菊地の抱負です☆
皆さん、今年の抱負はお決まりですか?!
決まっていない方は…アイティーチャーの菊地が一緒に考えます!(笑)